教室案内

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教授あいさつ

一流の血管外科医
育成のため、
血管外科学発展のために

Hiroshi BANNO

教授 坂野 比呂志

血管外科は脳、心臓以外の血管疾患(あるいはリンパ管も含めた脈管疾患)を診る診療科です。逆にこれに相当する内科は存在せず、我々は血管外科(脈管外科)医でもあり血管内科(脈管内科)医でもあります。すなわち我々は外科手術という手段を持つ血管疾患のスペシャリストであります。

外科医である以上、手術が出来ることが必須であるのはいうまでもありません。当然のことながら外科手術の修得は必要条件でありますが、十分条件ではありません。一方、近年血管外科領域において大動脈(瘤・解離)に対するステントグラフト内挿術ならびに下肢動脈疾患(LEAD)に対するカテーテル治療など低侵襲治療が標準治療の一つとなっています。さらにこれらを組み合わせたハイブリッド治療も患者さんに負担をかけずに治療の質を担保するために必須の治療法となってきています。血管外科医の育成のためには手術だけでなく、血管内治療(Endovascular surgery)も質の高い次元で行うことができる医師の育成が必要で、そのために十分なトレーニングを実践しています。さらに前述のように血管疾患を持つ患者に対する全身的な内科的管理の知識も必須であり、これらを含めて習得していただく必要があります。当教室は国内有数の症例数と質の高い治療を行っていると自負しており、“一流の血管外科医”育成のために、また“血管外科学”発展のために努力を惜しみません。

しかしながら“一流の臨床医”となるためには単に臨床経験を積むだけでは不足です。完成された医療などありません。常に改善が必要であり、場面場面で臨床的疑問(clinical question)が生まれてきます。それを解決するためには研究マインドが必要となります。Clinical questionから立ち返った基礎的な研究の経験も一流の臨床医となるためには極めて重要なものとなります。できれば大学院生時代にそのような基礎的研究を集中的に行ってもらう期間を設けたいと思っています。そのようなことを踏まえて、我が教室では名古屋大学血管外科でしか行えない、独自の高度先端医療を開発、展開していくために基礎から臨床へのトランスレーショナルリサーチを推進しています。
我々はこれからも最先端の医療、研究、教育を実践し、将来を担う一流の血管外科医の育成に励んでいく所存です。少しでも血管外科診療に興味がある方は学内外問わず、是非ご連絡ください。

沿革

History

本邦初の血管外科単独講座!

名古屋大学大学院医学系研究科血管外科学講座は名古屋大学外科学第一講座から、血管外科研究グループが分離する形で2002年4月に独立しました。

外科学第一講座は初代齋藤眞教授(1919年 - 1950年)による世界に先駆けた血管造影法の開発以来、血管外科の研究が大きなテーマでした。この伝統は戸田博教授(1950年 - 1953年)、橋本義雄教授(1953年 - 1968年)、弥政洋太郎教授(1973年 - 1984年)に引き継がれ、血管外科分野における交感神経外科手術や高圧酸素療法の導入も積極的に推進されました。塩野谷惠彦教授(1984年 - 1991年)は血管外科が専門であり、血管外科全般の研究が飛躍的に発展しました。なかでもBuerger病に関する数多くの業績は国際的に高く評価されました。その後、1991年より二村雄次教授(器官制御外科教授)のもとで、引き続き日本有数の血管外科研究室として研究を継続しました。

2002年4月に大学院大学の再編成で血管外科学講座が独立し、初代血管外科学教授として古森公浩教授が就任しました。血管外科領域の主要学会を数多く主催、学会理事長としての重責を担うだけでなく、学会間の国際交流の礎を築くなど、国内外を問わず活躍し、2022年3月に退任となりました。2022年8月より第二代教授として坂野比呂志教授が就任し、今後のさらなる発展を目指しています。

古森公浩 初代教授

坂野比呂志 現教授

メディア掲載

東海医事新報社(2023.2.20)

「血管外科」の発展をリードできる存在に

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