診療案内

概要(診療体制)

大動脈破裂から命を救う!
足壊疽から下肢を救う!

我々の使命は血管病を患う患者さんを病気から救うことです。名古屋大学医学部附属病院の手術部には2部屋のハイブリッド手術室(固定式血管造影装置を装備した手術室)があり、より低侵襲な治療を提供するためにこれらの設備を駆使して治療にあたっています。複雑な血管内治療と外科手術を組み合わせたハイブリッド手術が可能です。さらに放射線部には我々が使用できる血管造影室があり、純粋な血管内治療のみで治療可能な患者さんにはこの部屋で治療を行います。

施設の特徴

複雑な血管内治療(カテーテル治療)からダイナミックな大動脈手術、小血管へのバイパスまで

名古屋大学医学部附属病院は2016年に臨床研究中核病院に承認されています。臨床研究中核病院とは日本初の画期的な医薬品や医療技術などを開発するために、国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的な役割を担う病院です。そのため本院は新たな医療の開発に力を入れております。我々血管外科も例外ではなく、常に最新の治療を取り入れて、さらに新たな治療法の開発を目指しています。2000年ごろからいち早く末梢血管疾患に対する血管内治療を取り入れ、血管内治療への造詣を深めてきました。そして2006年に大動脈瘤に対するステントグラフト留置術が本邦で開始されると共に導入し、数多くの外科手術不能な患者さんを大動脈瘤破裂から救ってきました。

現在はさらにそれを発展させ、分枝血管を温存する必要がある弓部大動脈瘤や胸腹部大動脈瘤に対する複雑なステントグラフト治療の開発に取り組んでいます。もちろん外科手術の方がより良いと考えられる患者さんには身体への大きな負担を伴いますが、外科的な人工血管置換術も躊躇いなく行います。末梢血管疾患に対しては低侵襲な血管内治療全盛の時代ではありますが、特に壊疽を伴う重症虚血肢の患者さんに対しては(血管内治療と比べて)より血流を改善させるバイパス術が大変重要な治療法であると信じています。重症虚血肢の患者さんは透析や糖尿病など多くの疾患をかかえている方が多く、一般にバイパス術の危険が高いとされることも多いですが、我々は神経ブロックなどを併用して、より低侵襲なバイパス術への工夫にも取り組んでいます。足の裏の小さな血管へのバイパス術も躊躇いなく行います。

診療実績

治療件数の推移

2002年古森公浩初代教授が着任以降、また時を同じくして血管外科治療における血管内治療(大動脈瘤・解離に対するステントグラフト内挿術、末梢動脈疾患に対するカテーテル治療)へのパラダイムシフトもあり、当科の治療件数は飛躍的に増加しました。コロナウイルス感染拡大の影響で件数は減少しましたが、その後また増加傾向を認めています。

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